プレス搾水性向上剤

ニューラスターA-25

  • 『エネルギーコスト問題解決への新たな一手!プレス搾水性向上への革新的ケミカルアプローチ』


    はじめに

    抄紙工程においてプレスパートは、前工程であるワイヤーパートで脱水された湿紙から水分を加圧処理によってさらに搾り取り、
    後工程であるドライヤーパートへ搬送する役割を担っています。
    ドライヤーパートでの蒸気による乾燥コストは、プレスパートでの機械的な脱水コストと比較して著しく高いため、プレスパートにおいて搾水性を高め、プレス出口湿紙水分を下げる事は、ドライヤーパートのエネルギーコスト削減、すなわち紙生産コストの抑制に繋がります。
    「ニューラスターA-25」は、フェルトへ適用する事でニップ脱水性を向上し、プレス出口湿紙水分量を低減させ、ドライヤー蒸気量の減少や紙生産速度の向上などの効果が期待できます。


    ニューラスターA-25①


    ニューラスターA-25の作用機構

    ニューラスターA-25は、フェルトのバット繊維と類似した化学構造を持つアミド化合物に、水溶性を付与する目的で親水基を結合させた化合物を主成分としており、フェルトへ親水性を付与する作用があります。
    この作用により、フェルトバット繊維に親水性を付与し、フェルト内部を流れる白水とバット繊維表面との流体摩擦抵抗を低下させ、水分の流れを促進させる事ができます。
    下の図はナイロンフィルムの表面に、蒸留水を滴下して水の接触角を測定したものです。ニューラスターA-25で処理したものは、未処理のフィルムと比較して接触角が小さくなっており、ナイロンフィルムの表面が親水性に改質されている事を表しています。


    ニューラスターA-25②


    フェルト新反時の馴染み促進効果

    フェルト掛け入れ初期においては、フェルト内部の空隙率が高く密度が低いため、プレスニップにおいて良好な搾水性を得る事は難しく、新反掛け入れ後1日ないしは1週間程度の期間、いわゆる初期馴染み期間が必要となります。フェルトが馴染むまでの期間はプレス搾水性が低いため、プレス出口湿紙水分濃度が高くなってドライヤーの負荷が上がり、紙生産量に対するエネルギーコストは増大します。
    プレス搾水性向上剤を新反掛け入れ時に使用する事により、フェルトバット繊維が親水性に改質され、フェルト内部の空隙がプレス搾水性向上剤の化合物および水分に置換されて良好なプレス搾水性をもたらし、エネルギーコストの削減に寄与します。


    ニューラスターA-25③


    ニューラスターA-25のプレス搾水性向上効果

    プレス搾水性向上剤を使用する事によって、フェルト通水性およびフェルト脱水性が向上し、サクションボックス出口(プレス入口)のフェルト水分量が低下します。
    下のグラフは、実機使用前後における、プレス出口湿紙水分濃度と、ドライヤー蒸気流量を示したものです。プレス出口湿紙水分は無添加時56~59%であったのに対し、プレス搾水性向上剤適用時は55%程度に低下しています。またドライヤー蒸気流量は、薬剤無添加時24.5~25.0t/hであったのに対し、プレス搾水性向上剤適用時は23.5~24.0t/hに減少しました。
    以上の結果から、プレス搾水性向上剤の適用はプレス搾水性の向上により3P出口湿紙水分濃度を低下し、ドライヤーの負荷が軽減されエネルギーコストの削減に効果があったものと考えられます。


    ニューラスターA-25④


    以上の事から、ニューラスターA-25の実機適用により、プレス搾水性が向上し、プレス出口湿紙水分が低減され、ドライヤー蒸気量、すなわち湿紙の乾燥にかかるエネルギーコストを削減する事が可能になります。
    この「薬剤によるプレス搾水性向上」という革新的な方法によって、抄速アップも含めた紙生産性の向上が期待できます。



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