ピッチ問題解決への包括的ケミカルアプローチ。
『ピッチ問題に取り組み60年のノウハウが今ここに』
ピッチトラブル――近年の製紙業界では、古紙利用率の増加、また系内クローズド化によって、粘着物によるピッチトラブルが増加傾向にあり、安定操業・品質向上を目指す製紙技術者にとって大きな課題のひとつとなっています。
今回、ピッチトラブルの増加要因についての研究結果や最新のピッチコントロール技術についてほんの一部ですがご紹介いたします。
ご興味がございましたら、弊社に一度ご連絡ください。ご要望であれば、当社セールスエンジニアが訪問いたします。
製紙工程において、紙の原材料であるパルプに含まれる夾雑物のうち、木材に由来する樹脂をピッチ、雑誌の背糊やラベルの接着剤などに由来する合成樹脂はスティッキーと呼ばれています。これらは紙製品の製造過程において集塊化し、紙製品の品質不良や操業性に悪影響を与えるなど、様々なトラブルを引き起こします。
製紙工場では一般的に、ピッチが製紙工程に付着しないよう、パルプ原料または製紙工程に対して様々な化学処理方法がなされています。このうちパルプ原料へ使用する薬品は内添型ピッチコントロール剤、製紙工程へ使用する薬品は外添型ピッチコントロール剤と呼ばれ、弊社では当社研究スタッフが様々な分析機器を使用して最適なピッチコントロール剤を選定し使用方法を含めてご提案させていただきます。
ピッチ問題への取り組みとして、弊社では「NISSIN-Pitch Control Method(NISSIN-PCM)」と呼んでいる考え方を最も重要と考えております。ピッチ対策としては、「ピッチを系外に排出する」、「ピッチを紙中に抄き込む」、「製紙工程に付着させない」の3つの方法が挙げられますが、ピッチは抄紙工程に入る前に、原質工程においてできるだけ除去することが望ましい、と弊社では考えています。なぜなら、原質工程でのピッチ除去が不十分だと、抄紙工程において多大なピッチ対策が必要となるからです。製紙工程全体で考えた場合、NISSIN-PCMは少ないコストで大きな効果が得られます。
内添型ピッチコントロール剤は、パルプスラリーへ添加しスラリー中のピッチへ直接反応させるものです。弊社が開発したFT用スティッキー除去剤「DIA-SR-70」はフローテーション工程へ添加し、DIP原料中のピッチへ選択的に作用し、ピッチが泡へ吸着しやすくなるようにピッチを表面改質します。それによって、泡(フロス)とともに系外へ排出する事を目的とした内添型ピッチコントロール剤です。
OPTIMYZEは、Buckman Laboratories社のピッチコントロール剤で世界各国の製紙工場で採用されており、弊社は国内製紙会社向けの販売において総代理店契約を結んでいます。OPTIMYZEは、粘着物であるポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステルに存在するエステル結合に対し、特異的に加水分解作用を示す酵素(エステラーゼ)を含んだピッチコントロール剤であり、酵素の作用でピッチを分解して微細化し、水へ分散しやすくする作用があります。これによってピッチの凝集、肥大化を抑制し、ピッチトラブルを抑制する効果があります。
ハイタッチMPは、弊社が開発した内添ピッチコントロール剤であり、天然の高分子を主成分としたカチオン性マイクロエマルション製剤です。ピッチ表面の粘着性を不活性化させ、微細化したピッチを紙中に抄き込み、ピッチトラブルを抑制する作用があります。
内添ピッチコントロール剤を適用してピッチ対策をしているにもかかわらず、古紙品質の変動などによりピッチの絶対量が増加し、抄紙工程に多くのピッチが持ち込まれ、ピッチトラブルが発生してしまう場合があります。こういった場合には、外添ピッチコントロール剤の適用をご提案いたします。弊社では、抄紙工程用の外添型ピッチコントロール剤として、フェルト洗浄剤ニュートロン、プレスロール汚れ防止剤ハイタッチSPH、ワイヤー汚れ防止剤ハイタッチFR、ハイタッチWのご使用を推奨しております。